エスカレートする度胸試し。実際に社会問題にまで発展したゲームを題材にした映画。「NERVE ナーヴ」

映画
photo by eiga.com

2015年にロシアで発表され、社会問題にまでなった「Blue Whale Challenge」を題材にした映画、「NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」をご紹介します。
自己啓示欲と承認欲求、視聴者からのいいねに束縛されたティーンエイジャーの命をかけた危険なゲームに手に汗握る映画です。

            目次            

作品情報

タイトル:NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム
公開年:2017年
監督:ヘンリー・ジュースト、アリエル・シュルマン
出演:エマ・ロバーツ、デイブ・フランコ、ジュリエット・ルーズ

あらすじ

NERVE(ナーヴ)。それはインターネットのリアル参加型ゲームの事。視聴者と挑戦者に別れ、挑戦者は視聴者が決めた司令をクリアし賞金をゲットしていくというもの。

ゲームのルールは以下の3つ。

・すべての挑戦は「挑戦者」自身の携帯で撮影する。
・挑戦に失敗、もしくは棄権した場合、それまでに手にした賞金は没収される
・このゲームの事を警察に密告してはならない。

失恋のショックから衝動的にNERVEを始めた冴えない主人公ヴィー。最初は知らない男とキスをするという恥ずかしいながらも危険はない司令だったが、そのうち、命をかけた危険な司令に変わっていく。。。

 

レビュー

 スマートフォンやSNSに束縛された若者を上手く描いた作品。自己啓示欲と承認欲求をフォロワー数、レビュー数で表しており、視聴者を多く獲得するためにゲームの参加者は更なる危険な司令をこなしていきます。

 テンポもすごくよく、中だるみは全くしないが、最後の決闘の場面が少し不可解。匿名性が高いからこそ無責任に参加者を煽っていたはずの視聴者が集まって、顔を晒して決闘を煽るというのは少し違和感がある。制作会社の意向なのだろうが。

 最近よくニュースになっていますが、若者がアルバイト先で悪ふざけをした動画を投稿し、問題になっています。日本ではバカッターという名前で有名ですよね。これは、チキンレース的な側面があり、「いかに自分が怖いもの知らずか。」という自己啓示欲から行われる行為ですが、このNERVEというゲームのルールに「自分の携帯で撮影する。」というものがあります。NERVEでは強制的ではありますが、このルールが昨今の悪ふざけを動画にあげる若者の問題を皮肉っていて面白かったです。

 しかし、ただのバカをする若者の映画で終わらないのがこの作品の良いところ。最初、主人公は冴えない内気な少女でしたが、失恋を機にこのNERVEに参加。危険な司令や参加者との交流、視聴者の増加などから自信を身につけ成長していきます。

何事にも挑戦すべきで、自分の可能性を殺しているのは自分自身だということに気づかされる良い映画でした。

ロシア発祥の死のゲーム、Blue Whale Challenge

ーーここからは観覧注意です。

2015年にロシアでこの映画に似たような内容のゲームがSNSを通じて流行りました。その名も「Blue Whale Challenge(ブルー・ホエール・チャレンジ)」タイトルに名付けられたブルーホエールとは青いクジラではなく、シロナガスクジラのこと。シロナガスクシラは自らを岸に打ち上げて集団自殺するという逸話に由来しており、このゲームの参加者は50日の間に主催者から様々な課題を受け、最終的には自殺するというもの。

半年間で130人以上が参加、自殺をしており、世界各地で社会問題にになり。ロシアではこれを理由に法改正が行われたほどでした。

 

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